山 行 報 告
2011/10/7〜9   北ア・槍ヶ岳     メンバ:丸山、根来、駒崎、新村 記録:丸山、新村


ババ平にて 水俣乗越(中央部左) 北鎌沢方面 乗越で思案中 東鎌尾根に向う
北鎌尾根の全容 槍ヶ岳 殺生ヒュッテ 朝のテント場 朝の槍ヶ岳
山頂からの北鎌尾根 前穂北尾根を望む 槍沢を下る 天狗原からの槍ヶ岳 大正池に映える穂高



【コースタイム】

(10月6日〜7日)
 浜YCAT(6日21:30)=さわやか信州号=上高地(5:50)――明神(6:50)――徳沢(7:30)――横尾(8:45)――ババ平(10:40)――水俣分岐(11:15)――水俣乗越(12:40)――殺生ヒュッテ(15:15)△

(10月8日)
BP(6:10)――槍岳山荘(6:40)――槍ケ岳(7:00)――(7:50)BP(8:25)――天狗原分岐(9:25)――天狗原(10:00)――ババ平(11:30)――横尾(13:10)――徳沢(14:30)△

(10月9日)
BP(7:00)――(8:35)上高地(8:45)=タクシー=(9:45)新島々(10:06)==(10:35)松本(10:42)==高尾(14:20)




【記 録】

(10月6日〜7日)
 夜行バスで横浜を出発する。バスは新宿を経由して予定通り上高地に6時前に着いた。さすがに薄ら寒い。

 途中で朝食にしようということで、すぐに歩き始める。穂高方面は白い雲に包まれて良く見えないが、うっすらと雪が付いているようだ。横尾で涸沢方面と分かれると、登山者も極端に少なくなった。

 ババ平で休憩すると、上部の天狗原に向かった人が吹雪状態で帰ってきたという。天気の変化が激しいようだ。水俣乗越への分岐からは急登となり、ようやく乗越に着いた。

 ここから北鎌尾根を眺めると、独漂あたりから上部は雪が付いているようである。また、取付くには、ここから約700m下る必要があり、北鎌ノコルにまた登り直しがある。あまけにアイゼンなども持って来なかった。

 これらの理由で今回は諦めることにする。ここから、そのまま東鎌尾根を登りヒュッテ大槍からトラバースして着いた殺生ヒュッテ脇にテントを張る。まるっきり槍ケ岳の真下である。
 
(10月8日)
 昨日とは打って変わって、すばらしい天気になった。このテント場は槍沢の脇にあるため、朝食の後、槍岳山荘を経由して槍ケ岳頂上を往復することにする。

 山頂から北鎌尾根を眺めると、直下はすごい傾斜であり、下ることは不可能に見える。テント場に戻って、槍沢を下っていく。

 今日はどこかに泊まる予定なので、時間がたっぷり有り、途中から南岳側の天狗原に紅葉を眺めに行く。今シーズンは雪が早くナナカマドなども葉が枯れてしまっており、きれいな紅葉ではない。

 また槍沢に戻って、下って行くと指定テント場はどこも一杯になっていた。ようやく徳沢まで行き、ここにテント泊することにする。

(10月9日)
 上高地からはタクシーで新島々に行き、松本からは丁度接続する高尾行き普通電車で帰った。
                                  【丸山 記】


10月7日(金)前夜発
 6日21時に横浜駅集合。高速バス乗り場のYCATはまるで空港。お酒を買ってさわやか信州号に乗り込む。今回は予定通りの時間で上高地到着。

 上高地は人がいっぱい。風が冷たく早々に歩き出す。横尾から先はイチイの木がお出迎え。赤い実を地面に落としている。根来さんにイチイとコメツガとシラビソの見分け方を教わった。葉は似ているが幹が違う。なんとか覚えられそうだ。

 ババ平に着くと、ちょうど上から下りてきたおじさんが様子を話してくれる。おじさんは天狗原まで上がったが、吹雪のため引き返してきたとのこと。少しの間行く先を思案するが、とりあえず今日は北鎌沢出合まで行ってみることにする。

 大曲から踏み跡をたどり水俣乗越を目指す。途中、クロマメノキの実を教わり口にする。甘みが強く疲れも飛ぶ。稜線に出た水俣乗越は風が強く、真下には天上沢へと続く谷、眼前には独標までの北鎌尾根が姿を現す。

 北鎌の全貌が見えるところまで偵察に行った駒崎さんによると、独標には雪なし、独標から先は雪あり。アイゼンを持っていないこと、独標を越えての撤退は難しいことなどから今回は北鎌を諦めることにする。

 今日のテン場を殺生ヒュッテに定め、東鎌尾根を進む。右手に見える北鎌は槍ヶ岳へ近づくにつれて白くまだらになっている。穂先まで見えていた槍もやがて灰色のガスに覆われていき、暗い雲は吹雪を想像させた。

 東鎌尾根も気は抜けない。冷たい風の中、長い鉄ハシゴの連続。北側斜面に積もった雪はときに凍り、ときにパウダーとなり岩にくっついていた。

 大槍ヒュッテからトラバースで殺生ヒュッテへ。風が冷たく寒い。テントを張りガスコンロでテント内を「夏」にする。いつの間にか風は止み外は一面を照らす月明かりとなる。

 仰ぎ見れば大槍がそびえ立ち肩の小屋には消えない灯りがともっていた。無風快晴。放射冷却が始まっていた。
 
10月8日(土)
 翌朝は快晴。朝日に照らされた槍には昨日見えていたまだらの雪がない。駒崎さんに水など持ってもらい空身で槍を往復する。鉄ハシゴはさすがに冷たい。軍手だけでは手がかじかみ吐く息で温めながら上を目指す。

 山頂からは北鎌がはっきり見えた。南側斜面の雪は急激に溶けている様子。丸山さんに甘いみかんをいただき山頂を後にする。

 今日の目的地徳沢園まではゆっくり下る。時間があるので天狗池に寄ってみる。天狗原付近から望む槍の景色は鮮やかで、写真をとおしてその美しさを伝えたくなる。

 ババ平には22張りのテント村ができていた。水場でのどをうるおし更に下る。徳沢園のテント村に加わり、ビールで乾杯。フライを張らずに寝たら、夜露でテントがぬれて寒くて目が覚めた。

10月9日(日)
 翌朝は連休を一足先に上高地から下り、電車に揺られて横浜へと帰る。

                              【新村 記】